ひたすら調査をして計画を考えていたら、プロポーズ予定日の3日前になってしまいました。
- レストランを予約←まだしていない
- レストランの下見←やっておきたい
- 指輪を購入←まだ買ってない
- 手紙の用意←まだ書いてない
急がないと間に合わない....!
目次
- 目次
- 僕が選んだのは「フレンチレストラン in 夜の美術館」
- 計画に気づかれないようにレストランに誘おう
- レストランの下見に行ってきました。
- 2度目の下見に行ってきました。リベンジ。
- いよいよプロポーズ当日。
- 残っているタスクを当日の午前中に遂行しました。
- 手紙を準備しました。
- ジュエリーショップへ突撃
僕が選んだのは「フレンチレストラン in 夜の美術館」
前回の記事でプロポーズの必須条件を決めました。
- 何十年後でもその場所が存在していること。
- 街中など多数の一般の人に囲まれるのは避ける。
- プロポーズの瞬間を記録として残したい。
- おしゃれ感は必要。
これを満たすような場所として、夢に出るくらい悩みに悩んで思いついたのが国立新美術館にある「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」というフレンチレストランです。
フレンチレストランって難しい名前が多くていつも名前覚えられないですね。
都内に数あるレストランの中でここを選んだ決め手は「4年前に初デートをした六本木」であるという点でした。
あと「夜の美術館」っていう響きがしっくりきて気に入りました。
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼは美術館内のコンクリートでできた逆円錐状の構造物の上にあります。もはやレストランの存在自体がアートのよう。
閉館後の美術館という稀な環境でレストランだけがオープンしているので、美術館への来訪者が全く居ない静かな空間で食事をすることができます。
優雅に波打った曲線をガラス張りで作り上げた外観は何度見ても美しい。デザイン設計は黒川紀章さんによるものです。
建物内部から見てみると、その構造を作り出している鉄骨が規則正しく並んでいる姿が息を呑むほどの美しさです。
内側の壁に証明が配置されているので、外が暗くなると自分たちの影が窓ガラスに反射してそれもアートのようです。
※これらの国立新美術館の写真は、数年前アートナイトというイベントに行ったときに撮ったものです。(普段の夜間は美術館の証明が落とされるため暗いです。)
国立新美術館は「日本で5館目の国立美術館」かつ、入場者数も日本でTOP5に入る美術館です。ここならきっと数十年後も変わらず存在し続けているでしょう。
計画に気づかれないようにレストランに誘おう
僕が決めたプロポーズの日は、二人でタイ旅行に出発する前日。あらかじめ彼女にはレストランに行くことを伝えておきました。
僕:「タイ旅行の日、朝イチで成田まで行くの大変そうだから、前日の夜にどっか安いホテルとって宿泊でもいいかな?」
彼女:「うん、いいよー。」
僕:「わかったー!適当に探しておくね。」
(実はこの時点でホテルもレストランも決めています)
ー翌日ー
僕:「そういえば予約したホテルの近くに、前から行きたかったフレンチがあるから夜そこで食べるのでもいい?」
彼女:「おっけー!」
よし、バッチリ。
レストランなんて豪勢な場所には年に数回しか行かないんですが、普段から割と突然「(どこどこ) 行こう!」ってなるので、プロポーズイベントがあるのはバレていないはずです。
プロポーズが終わったあとに「もしかして何かあるって感づいてた?」と彼女に聞いてみました。すると彼女は「全然気が付かなかったー!けど、海外旅行に行く前日になんでフレンチ行くのかなっては思った。」とのことでした。
うん、おっしゃる通り。海外旅行前日にレストランとか普通はありえないですね。
海外旅行の前日にセッティングしたのに「えー...。フレンチ行くの別の日でよくない?」ってツッコまなかった彼女に感謝です。
レストランの下見に行ってきました。
あらかじめ彼女には「今週は毎日残業で遅くなると思うよ。」と伝えておきました。(嘘ついちゃってごめんね!)
プロポーズ予定日の2日前、会社を19:30に退勤して国立新美術館へ向かいます。職場から国立新美術館までのアクセスが良くなくて電車を乗り継いで30分くらい。
「うーん。レストランの人になんて言おうかなぁー。なんか恥ずかしいなぁ。」と電車で移動中も緊張しっぱなしでした。
「この際、下見しなくてもいいんじゃないか?」と途中で心折れそうになりながらも、なんとか六本木駅まで到着しました。
ここは彼女と初デートの待ち合わせをした六本木にある無印良品です。始まりの場所。
今でも当日の緊張感を思い出します。この店舗もずっと存在しているといいなぁ。
六本木駅から10分ほど歩いてあの角を曲がったら美術館に到着という路地まで辿り着きました。
僕は暑いのがとても苦手なので、真夏はTシャツしか着ません。そんな僕が、鞄の中に突っ込んでおいた白シャツを羽織ってレストランに似合った服装に着替えます。
そう、僕はTPOの配慮ができる男なんです!(意味深)
美術館の近くにある焼肉屋の前でシャツのボタンを襟まで留めて、大きく深呼吸。
緊張を抑えてから「よしっ、いくぞ!」と気合をいれて門まで歩きました。
しかし美術館が見えた瞬間、緊張とは違う不安がよぎります。
「あれ...?暗い?美術館自体は閉館している時間だけど、暗すぎじゃ...。」
暗闇の中に目を凝らすと門の端には「本日休館日」の文字が。
「あぁぁぁ〜!やっちまったーーーー!」
思わず口に出てしまいました。火曜日が休館日だなんてほんの少しも想定してなかったよ。
まぁこうやって語れる思い出になったので、結果良し?なんですが、あまりのショックで門の前で写真さえ撮っていませんでした。閉館日の看板撮っておけばよかったなー。
プロポーズの準備が山盛り残っているのに、大幅なタイムロスとなりましたが仕方ないのでそのまま帰宅しました。
週末に控えていたタイ旅行の予定も計画しながら、彼女が眠ったあとにプロポーズ計画を練りました。
- 当日はサプライズとして、途中でテーブルから離れてスーツに着替えてプロポーズしよう。
- 明日もう一回美術館まで下見に行くんだから、スーツを持っていって翌日まで預かってもらえるか聞いてみよう。
その他、花束を用意した方がいいのか、必要な場合は当日どこで購入してどうやってバレないように持っていくのかなど考えました。(結局はプロポーズ翌日から海外旅行なので、すぐに花を捨てるのが悲しいため花束は無しで挑むことにしました。)
「また明日 下見に行こう。」
2度目の下見に行ってきました。リベンジ。
美術館が休館日で下見に失敗した翌日も19:30に職場を出発してバスで美術館まで向かいました。
Tシャツでも汗が滲むような真夏の夜、美術館近くまでたどり着いたら昨日と同じように白シャツを羽織ります。
美術館自体は閉館していてひっそりとレストランだけ営業中。外観はこのくらいの薄暗さです。
ラストオーダーの時間も終わっていたため、通常は入館さえできません。ノーアポですが、門にいる警備員のおじさんに話しかけます。
僕:「あのーすみませーん。明日予約している(名字)ですが、レストランの方に相談したいことがあるのですが...。」
おじさん:「あーはい。あー、もうラストオーダー終わっちゃってるんですよねー。...あーどうしようかなー。」
(えっ、警備員の人なんか冷たい)
おじさんは僕から少し離れて無線で連絡を取ってくれています。
おじさん:「こちら正面ゲート、明日予約のお客様がいらっしゃっているんですが ごにょごにょ」
おじさん:「えーと、予約してるんですよね?お名前は?」
僕:「(名字)です。」
おじさん:「(名字) 様が... ごにょごにょ」
僕が遠い目で美術館を見つめながら「もしかしてまさかの入館できないパターンかな...?」って考えている間、しばらく無線でのやり取りが続きました。
おじさん:「では、正面玄関は閉まっていて、左に進んでいくとウッドデッキがあるのでその扉から入ってください。」
僕:「あ、ありがとうございます!」
さすが美術館。警備が超しっかりしてました。予約が無いと入れないのかとドキドキしました。
(歩きながら撮影したからブレブレなのです)
敷地内に入り少し進んでいくと、レストランの店員さんが迎えにきてくれました。
店員さんにドアを開けてもらい、美術館内に入ります。白い鉄骨と透き通ったガラスが美しい。
閉館して2時間も経過しているので1階部分には誰もおらず美術館の照明もかなり暗めになっていました。ドキドキします。
ガラス張りのエレベーターに案内され3階へ。
「下見するだけなのに、何この緊張感?!けど明日はこの何倍も緊張するんだから、慣れておかないとなぁ。」
そう考えながらあっという間にレストランの入口までたどり着きました。
ここからは店長らしきスーツを着た紳士的なおじさんに案内をバトンタッチ。
僕:「お忙しいところすみません。明日予約している(名字)というものです。」
スーツさん:「はい。」
僕:「えーっと、明日プロポーズをしようと思っているのですが、いくつか相談させていただけませんか?」
スーツさん:「はい、よろしいですよ。」
こちらのスーツの男性、丁寧かつ冷静な対応なのですが、笑顔がなくて「えっ?怒ってる?」とちょっとビビりました。
聞きたいことがいくつかあり聞き漏れると大変なので、前日に「レストランで相談することリスト」を作っておきました。
それに従って一つ一つ質問しながら、スマホでメモをとりました。(以下の内容はレストランの混雑具合などによって、可否が変わると思うので参考程度にどうぞ。)
幾つか抜粋します。
- スーツ預かってくれる?トイレ行くふりして受け取っていい?→ 「はい、よろしいですよ。」
- 席って決まってる?HPには指定できないってあったけど。→「 明日はご予約が少なく空いているのでご指定いただけますよ。よろしければ店内へどうぞ。」→ じゃあ、ここの席でおねがいします!
- デザート前にプロポーズしようと思っているんですが肉料理の後ですよね?→「 はい。」
- 声をかけるまでデザートを出すの待っていてもらえますか?→「 かしこまりました。」
- 記念に動画を撮りたいんですが、机のうえに小さな三脚を立ててもいいですか?→「 大丈夫です。」
- 明日の夜はどのくらい混雑しますか?→「 今のところ予約が多くないので本日くらい(3,4組程度)です。」
すごく機械的に的確に質問に答えてくれるおじさん。あっという間に質問が終わりました。
そのほか自分で確認したことは、
- どんな音楽がかかっているか→何かの曲が流れているけどかなり小さくてほぼ無音。フォークの音が響きそうなくらい静寂。
- トイレの位置→店を出て正面。これでサプライズのとき迷わず行動できる。
- そのほか明日の緊張を少しでも和らげるために、できるだけレストラン内の様子を覚えてイメージしておきました。
「確認させていただきたいことは以上です。ありがとうございました。」
そう言って僕はレストランを後にしました。
帰りのエレベーターの中では見送ってくれた別の店員さんに「実は昨日も来たんですけど休館日だったんですよねー。へへへー。」と雑談を交わす余裕が出ていました。
一人でレストランに下見に来ることなんて人生で一度きりかもしれません。こうやって緊張しながら下見したのもきっと大切な思い出になっていくのでしょう。
以上で下見は完了です。
めっちゃ緊張したけど行っておいてよかった。うん、ほんと良かった!
これからプロポーズを考えている方、当日は(本当に)吐きそうなくらい緊張するので事前にその場所に行ってイメージしておくといいですよ。
あと、事前にレストランの方と顔を合わせて、説明しておけるっていうメリットが最強です。
「タイミング悪く店員さん来たりしないかな。カメラで撮っていいのかな。サプライズなのにバラされたりしないかな。」とか、当日に余計な心配をしないですみます。
(レストランの方々、僕のプランを通りやらせてくれてありがとうございます!)
家に帰り、残っている準備や当日の流れの確認などをしていて深夜1時に眠りました。
いよいよプロポーズ当日。
ついに、ついにこの日がやってきました。
珍しく目覚ましが鳴る前に目が覚めました。
時計を見ると時刻は午前5時30分。
さすがに睡眠時間が足りていないので、二度寝しようと思うものの緊張で眠れません。
午前中に終わらせないといけない作業や、今夜のプロポーズのシュミレーションが浮かんでくるのです。
隣で眠っている彼女を見ながら「あの日、出会ってから4年。ついに今日プロポーズするんだなぁ。」としみじみ感じていました。
4年間っていうとかなり長い期間のはずなのに、思い出を辿っていくとどれもこの間のように感じます。不思議です。
残っているタスクを当日の午前中に遂行しました。
このプロポーズ当日は海外旅行予定枠として僕も彼女も有休を取っていました。翌日から海外旅行です。
朝9時になって、僕は予約していた美容室に向かいます。何故かよくわかりませんが、段々と落ち着いてきました。30分くらいでカット完了。ここからが忙しい。
彼女には「髪切ったあと、ちょっと買い物してくるねー。昼までに帰るねー。」ってメールを送ってから、残ったプロポーズ準備作業を完了させるため、あちこち回って行動します。
手紙を準備しました。
昨日レストランに下見に行って確信しました。
「これ、絶対緊張して頭真っ白になるやつだ。」
何も見ないで想いをすべて伝えることができるのならそうしたい。でも緊張で全て忘れて何も言えなかったら悔しい。ということで、カンペを作ることにしました。
手の甲にマジックペンで書こうかとも考えたけど、それはダメだ。レストランに向かっているときにバレる。
手紙にしたらそれも記念になるかなってことで書くことにしました。
だいぶ前から話したい内容を考えてEvernote上に記してあるので、あとは文を整形して手紙に書くだけです。
午前10時。
開店直後の人の少ないLOFTに駆け込んで、手紙コーナーへ直行します。
シンプルで落ち着いた雰囲気のレターセットを探すものの見当たりません。しかし残された時間は僅かなので、他の店舗を探し回っている時間もありません。
売り場をぐるぐると何度も回り悩みながら、いくつかある封筒と便箋の中からしろくま模様の便箋を手に取りました。
タリーズコーヒーに移動してきました。
スマホ上で準備しておいた手紙の内容を買ったばかりのボールペンで紙に書き写します。
文字が汚い僕は手紙を書くのがとても苦手です。少しでも綺麗に書くために、1回目は全体の文章のバランスを見るために下書きとして書いて、2回目はできるだけ丁寧な文字で時間をかけて書きました。
その時の写真がこちらです。↓
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
こんな所で写真を撮る人はほとんどいないと思うけど、これも思い出!
「この手紙があれば、緊張しまくってもなんとかなるはず!」とちょっと強気になれました。
ジュエリーショップへ突撃
手紙を書き終わったら指輪屋さんに向かいました。
店員さんに1対1で接客されるのでめっちゃ緊張します。緊張で汗がたれてきます。
でもそんなことで躊躇している時間もないので、到着してすぐに店員さんに話しかけました。
僕:「あっ、すみません。婚約指輪っぽいものを探してるんですが。」
店員さん:「かしこまりました。ブライダルリングはこちらにございます。」
僕:「あっ、えーと、本当のやつは後日彼女と一緒に選ぼうと思っていて、プロポーズのときに渡すものを探しています。」
店員さん:「そうなんですね!ではこちらやこちらはいかがでしょうか?」
僕:「サイズがx号のものだとどれがありますか?」
店員さん:「こちら、こちら、...略...こちらがサイズございます。他のものも数日で取り寄せも可能でございます。」
僕:「実は、今夜必要なんです。ハハハ」
店員さん:「今夜プロポーズされるんですね!」
僕:「もうちょっと早く来たかったんですが他の準備が忙しくて。」
そんなこんなで見せていただいた中で、僕が気に入ったウェーブのかかったホワイトゴールドの指輪を購入しました。数万円だったのでちゃんとした婚約指輪に比べたら安いものです。
後に知ったのですが「プレエンゲージリング」っていう言葉があるらしいです。プロポーズ用の高くない指輪のこと。正式な婚約指輪はプロポーズ後に彼女と一緒に買いたいっていう人用の指輪です。
店員さんに帰り際に「頑張ってくださいね!」と応援してもらえました。ありがとうございます。任務遂行できる気がしてきました。
同棲中の彼女に指輪がバレないように、紙袋をリュックに入れたまま帰宅しました。
その後家で昼食を食べ、翌日からの海外旅行の準備を済ませました。
時刻は17時すぎ。
「そろそろ出発しよっかー。」と言いながら家を出発するときに、玄関でこっそりリュックの中を確認します。
「指輪と手紙、ちゃんと入ってる。よしっ。」
旅行のスーツケースをゴロゴロと転がしながら、彼女と一緒に家を出てレストランへと向かうのでした。
(...いよいよだ。)
次の記事につづく。