結婚式のウェルカムスペースに飾るアイテムなんてAmazonで調べてみると山程出てきますが、ここはエンジニアらしいものを自作することにしました。
(といっても業務ではプログラミングが主で、画像とかレーザーカッターとかは使わないので「エンジニアっぽい、趣味の制作物」です!)
ということで作ったのは、紙でできた地図のオブジェ。1枚20円の画用紙を切り抜いて道路を表現するわけです。
切り抜き作業自体はレーザーカッターを使用しました。
...
「なんだい、お前さん。手で切るんじゃねぇのかい!それならば、ちょちょいのぱっぱ、たやすいDIYってことかい?」
えぇ、僕もレーザーカッターを使えば簡単に作れると思ってましたよ。
「いいや、べらぼうに手間がかかってるんですぜ!」
ということで、2記事に分けてめっちゃめちゃ大変だったその様子をご紹介します。
「よーし!自分もレーザーカッター使って地図作るぞ!」っていう人はなかなかいないと思いますが、そいういう稀なチャレンジをしようと考えている人の参考になればと思います!
アイデアとして浮かんだものを実際に作ってみることで、ものづくりの大変さを実感することができますね!笑
カットデータを作ろう
こちらが道路部分のデータです。ブログ用に縮小してありますが、元は3000x3000pxのpngで6MBもありました。(赤色にしてあるのは、後で画像をトレースしてベクター画像へ変換しやすくするためです)
レーザーカッターを使うには、ベクター形式のデータを用意する必要があるので以下のような手順で準備しましょう。
- SnazzyMaps というサイトでGoogleマップから道路だけをハイライトした画像をDLする。
- IllustratorやInkscapeで1の画像を自動トレース。
手順としてはこれだけ。...なのですがめちゃ大変です!!!!!!!!
(数時間かけて行うことになりました。)
「地名の文字を非表示にする、残したい道路に赤色など濃い色をつける」とカスタマイズするのですが、思ったとおりに色がついてくれなかったり試行錯誤しながら進めることになります。
ここが第一挫折ポイントですね!心が折れそうになりました。
なんとか地図をDLできたら、ベクター形式にするためにトレースするわけですが...地図画像の解像度が良すぎるためにトレース処理がとてももたつきます。MacBookProでさえしばらくフリーズ状態になりました。
「あぁ、こんな状態で作り上げることができるのだろうか」
出来上がりは30x30cmサイズを想定していたので詳細な地図にしたのですが、詳細にしすぎたのが良くなかった。
※データが細かいと編集作業も大変、レーザーカッターも大変、その後も大変!なので細かな道路が表示されないくらいに地図を縮小してから画像として保存するとよいでしょう。
さて、ここまでたどり着いてデータを作成することができたらいよいよカットです!
レーザーカッターで切り抜こう
画用紙をこのようにセットしてデータに沿って切り抜きます。切り出す部分は細い線が多いので、一応マスキングテープで固定してずれないようにしておきました。
ウィーンウィーンと動くこと約2分。
なにか切り出せましたね!
手前に持ち上がっている細い部分が線路です。
こんなかんじに道路と線路の複数層のレイヤーに分けて作ることにしています。なんという適当な設計図...!
とりあえず単純な線路レイヤーを作ってみて...
- ちゃんと切り抜けているか(←振っただけで落ちるくらいに切り抜けている必要があります)
- レーザーカッターによる焦げ付きは大丈夫か
などを確認しました。
レーザーカッターの前に立って、微調整などして、ここまでで1時間ほど。有料のレンタルスペースでやっていたらかなりの金額になっちゃいますね。
しかし、ここからが本番なのです
レーザーカッター地図の道のりは厳しい
この赤枠内の道路を切り出していくのですが、主要道路だけではなく相当細い路地まで切り抜くデータを作ってしまったのです!
「どうせ作るなら細かくしたほうが見栄えいいだろうなー」っていう安易な考え。
そしてこちらが、レーザーカッターで切り抜きをスタートして40分経った様子。
「この精密さでござる!」
一軒家でさえも表現できているレベル。1mm四方よりも小さな切り抜きがたくさん空いています。
えぇ、詳細すぎる地図データにしてしまった僕が悪いんです。
レーザーカッターくんは、途方もない作業でも文句一つ言わずに作業してくれます。
ただ、もくもくと。もくもくと。
1秒で4個の四角形を切り抜くくらい早く動いているにもかかわらず、全く終わる気配がありません。
僕は見守ることしかできないのだ。
90分経っても終わらない。やばい。
でもここまで来たらもう止められない。
終わるのを待つしか無いんだ。
※こういうの、いわゆる「コンコルド効果」ですね。積み重ねたからには後に引けないっていうね。
「がんばれ!がんばれ!(はやくおわってくれ〜!)」
人の手では不可能なディティール。まさに神業!紙だけに...
元は単なる画用紙ですよ。それがこんな芸術品になるとは!
結局開始してから2時間以上かけて、やっと切り抜きが完了しました。
いざオープン!
「ウォぉぉぉぉぉ〜!すんごいすんごい!」
まさに息を呑む程の精密さ。
持ち上げると切り抜いた部分が抜け落ちます。すごい。
下町あたりを見てみると、1円玉サイズの中に100個くらいの四角形の穴がくり抜かれています。思わずその場にいた人と「まじやばいですよね!」って興奮してました!
(夜まで僕は何を作ってるんだ?!と謎の心境に。)
ちなみに裏面はレーザーによるコゲがちょっとだけついていました。
家に持って帰ってきました
折れないよう気をつけて自宅に持ち帰ってきました。
持ってくる間にも小さな家が(紙の破片が)剥がれて落ちていっていました。
軽く降るだけでぽろぽろと。
レーザーカッターで切り抜いたとはいえ、微かに引っかかっています。大きな切れ端は、紙を降れば落下するのですが一部は全然落ちないのです。
「そうか、残った切れ端を剥がしていく作業が必要なのか...」
想定外の作業が発生して今日中に終わる気配がしないので、この日は一旦ここまで!
次回の記事では、破片取りの苦労と額縁への組み立て作業をして完成までたどり着きます!