水道管っぽいインダストリアルデザインを安く作りたい!そんな時に便利なのが塩ビパイプです。
排水管などとして使われる塩ビパイプはそのままではプラスチッキーで見た目はイマイチだけど、加工のしやすさは抜群。見た目の安っぽさはアイアンペイント塗装をすることで鉄っぽくすることができます。
...という知識は合ったものの、実際に組んで作ったことがなかったので初挑戦してみました。簡単そうに見えて実は大変だったり...。
今回はこれまで二回に分けて作っていたドレッサーの脚作成です!
設計図
iPadで作った完成図。どのくらい頑丈にすれば重さに耐えられるのか、安定性があるのかは未知だったのでフィーリングで考えました!
上の図にあるように、最初はキャスターを取り付けようと思っていました。でも塩ビパイプの端っこに良い具合に取り付けられるキャスターが見当たらないことや、専用のコロコロが見つかったとしても高そうだったので、シンプルな脚にすることにしました。そんな頻繁に移動するものでも無いですし。
完成図を元に、塩ビパイプで作る脚のみを書いたのがこちら。
各部品が何個必要なのか、パイプの長さはどのくらい必要なのかをメモっています。長さは「サイズ感がこのくらい」という程度で、実際には家に持って帰ってきて組み上げるときに微調整する予定です。(最初からもっとしっかり計画してミリ単位で長さを決めておく手間と、家で微調整しながら余計な部分を切断する手間とどっちもどっちかなと)
さらに、設計図を元に塩ビパイプの切り出し方を考えました。2mの長さで販売されているので何本必要なのか、どの組み合わせで切り出すと無駄が少ないのかをあらかじめ決めておきます。
塩ビパイプを買いに行こう
やってきました!ホームセンター!!!
今回は直径16mmの塩ビパイプを使用します。2mで318円。(実は16mmだと若干たわむので、直径20mm以上を選んでおけば良かったな...と完成した今は思います。次回なにかの脚を作るとしたら太いものを選びます。今回のでひとつ学んだぞ)
この中から必要なものをピックアップしていきます!
持ってきたiPadを見ながら不足が無いように慎重に選ぶ。
端っこに取り付けるキャップ部品。バラ売りより6個セットとかのほうが単価が圧倒的に安かったです。
T字の部品。チーズっていうらしい。
L字の部品。エルボっていうらしい。
1個48円だけど、10個で298円。
パイプを板に固定するための部品。
最終的にはこのカゴ内+塩ビパイプ2mを3本買いました。
- 塩ビパイプ 3本で1140円
- キャップ20個で596円
- L字エルボ10個で298円
- T字チーズ10個で580円
- 配管金具10個で176円
合計2790円でした。うーん、まぁワンバイフォーの木材で作ったほうが圧倒的に安く仕上がりますね。金額の面から言うと、見た目を重視するときしか塩ビパイプ使えないなぁとわかりました。
ホームセンターで切れば電車で持ち帰れる
レジを通ったら、ホームセンターのベンチに腰掛けていざ切断作業開始!店内にワークスペースも合ったけれど、パイプを切るだけだしここでやっちゃいました。
事前にダイソーで買っておいたパイプカッター500円。これがあれば簡単に塩ビパイプを切断できます。
切り出す長さと組み合わせを確認して...
家から持ってきたレーザー距離計で長さを図ります。
630mmはここだ!油性ペンでカットする場所をメモっておきます。(家に帰ってから微調整するので切断時の1,2mmの誤差は気にしない)
パイプカッターを取り付けて、締め付けながらぐるぐる回す。
一箇所辺り1,2分で切ることができます。
パッキーン
切断面は綺麗。
サイズを図る→メモる→切断する を何度も繰り返して切り出しが完了。ベンチでひたすら30分くらいやってました。
(途中でどこかのおじいちゃんが僕の前で立ち止まって、数分間無言で見つめられて気まずかったです...。警備員は何度か通ったけれど特に注意されることはありませんでした)
持ってきた大きめのバッグに突っ込みます。はみ出るのも想定済み。
もう一つのお買い物バッグを巻きつけて、はみ出た部分を隠しておきました。これで電車に乗って家まで持ち帰ることができますね!
軽トラを借りて往復する手間が不要なので、ホームセンター現地で小さい部品に加工しておくのが便利です。
レーザー距離計、安いものでもひとつ持っておくと何かと便利です。
塩ビパイプを組み立てよう
今日は和室での作業です!
設計図を見つつ、完成済みのドレッサーに合わせた長さに調整していきます。
この塩ビパイプの両端にL字部品を取り付けたときに、ドレッサーの奥行きに収まるようにしたい。
L字部品と連結することも踏まえて、塩ビパイプの長さを決めてカットします!
こうなった。
ちょうどいい感じですね!
同様に他の奥行き部分の部品を組み立てました。
次はここ。L字とT字を組み合わせます。
塩ビパイプを短く切ったものを用意して...
はめ込んで...
かんたんに連結できました。
立体になってきました!楽しい。
同様に、地面と接する部分となるキャップを取り付けました。
ここが意外と厄介でして、
パイプカッターで切断すると、塩ビパイプの端っこが若干盛り上がるんですよね。このままだとキャップの最後までしっかり押し込むことができません。最初はちからずくで叩いたり押し込んだりしていたけれど、めっちゃ固くなって抜くのも一苦労...。
結局は盛り上がってしまった部分をヤスリがけしてから連結するのが正解でした。ちなみに塩ビパイプ用の接着剤も売られているのですが、今回は単にはめ込むだけにしています。ドレッサーを置くだけだし、抜ける気配も無いので問題なさそうかなと思っています。
ということで、完成!
組み立て始めからここまでで2時間かかりました。思っていたより重労働。長さを決めながらカットしていくとか、一旦はめ込んだけど奥まではまらなくて必死に取り外して加工してまたはめるのが大変だった...。特に一度入れたのを引っこ抜くには大きなペンチ(ウォーターポンププライヤー)を使って力いっぱい引っ張ってもかなり手こずるほどです。
この手間を減らすためには、
- 設計時点で、しっかりと計測しておく。
- パイプカッターで切断したあとはヤスリで凹凸を慣らしておく。
ここが重要ですね。
なにはともあれ、形になったので組み上げは完了です!
鉄脚風に塗装しよう
組み上げた塩ビパイプを一部ばらして、ダンボールにいれました。
塩ビパイプにアイアンペイントで塗装をしていくわけですが、そのままだと塗装が剥げやすいので先にミッチャクロンで下地処理をしておきます。
ミッチャクロンをかけて乾かした状態がこちら。塩ビパイプの表面がマットな質感になって塗料が乗りやすくなりました。
ここからはアイアンペイントの出番。
以前に何度か使っていますが、アイアンペイントめっちゃオススメです!
スポンジで叩くように塗りつけていきます。
僕の家にはメラミンスポンジしかなくてこいつをつかっていたけど、どんどんスポンジが小さくなってヘタっていくので、普通のスポンジを使う方が良いです。
一度目は全体が黒くなるのを目指して塗っていき、乾いたら塗料が薄いところを重点的にもう一度塗りました。
一日乾かして完成!塗ってすぐは剥がれやすい状態ですが、数日置くとものをぶつけても塗料が剥がれづらくなります。
どうです?なかなか渋いしあがりでしょう?ここが和室じゃなければもっとオシャレにみえるはず...。
ご覧のとおり、表面はザラッとしたマットな質感で鉄パイプっぽく見えます。
ドレッサーに脚を固定して完成
一個17円の配管金具でドレッサーの底に固定したら完成です!
サイズもピッタリ、オーダーメイド的脚が出来上がりました!
床掃除もしやすくなりました。
まとめ「やってみることで学べる」
いやぁー想像していた作業よりも色々ありました。
- 脚として使うなら直径16mm塩ビパイプでは弱い。(崩れはしないけど、ほんの少し揺れる)
- 塩ビパイプのカットは簡単だけど、T字部品などに差し込んだときに奥までハメこむのが大変
- 塩ビパイプにアイアンペイントすると鉄パイプ製に見えていい感じ。
- 塩ビパイプを使うと意外とコストがかかる(今回は2200円分くらい)。適当な木材で脚を作れば1000円しないくらいでできた。とはいえ、本物の鉄脚に比べれば激安。
- 見た目重視の場所だけ塩ビパイプ使おう。
組み方次第では、ビニール袋を引っ掛けられるようにしてゴミ箱にしたり、デッドスペースの収納を作ったり、カバン置きとか、太い塩ビパイプを使って強度を上げれば椅子だって作れます。アイデアを出して設計して作ってみる!大変だけど学べるし楽しいので是非ともチャレンジしてみてください。
以上、一日かけて作ってみた『塩ビパイプによるドレッサーのためのアイアン風脚』でした!