僕が好きな絵画のひとつ「ぶらんこ」をイラストタッチで描いてみました。
楽しそうに遊んでいるように見えるけど、実はスカートの中を覗いているという。実際の絵画はこの記事の後半に載せているのでぜひ見てみてください。イラストからは省きましたが、左にキューピッド、右には男性が描かれています。真面目なようでおバカっぽいこの絵が好き。
さて、ということで今回は大塚国際美術館に行ってきたレポートの後編です!
(前編はこちら)
前半はとにかく宗教画
どんどんと見ていきましょう。とりあえずこの通路だけでも数十の作品が展示してあるので、ひとつひとつじっくりと眺めていくのは時間的に難しい...!
宗教画は日本人にはあまり人気がないのか、このあたりは人は少なめでした。
広い空間に展示された祭壇画。
めちゃめちゃ大きいのです。もっと暗めの照明といい感じのBGMでも流れていれば本当に教会にいるかのよう...。
イタリア旅行で本物を見てきたダ・ヴィンチによるキリストの洗礼の絵。こうしてまた会えるとは...!レプリカだけどなんだか感動。
ここまでに聖母マリアが描かれた絵画をいくつも見てきたわけですが、その中でも僕はこの絵が好き。ラファエロによる「椅子の聖母」です。マリアとキリスト、どちらも優しい表情が素敵ですよね。
中にはこんな感じのインパクトある聖母マリアと神の子キリストの絵画があるのです。ある時代のものはキリストの表情がすごいものが多くて...まるで老けたおじさんのような顔をしていてお世辞にも子供の可愛さはゼロなんですけど、これは「キリストは神の子であるから、普通の子供と同じように描くのは失礼だよ」という考えから来ているらしいです。にしてもね...。
大きな絵画の端っこにいたこのおじさん、トンスラをするときに失敗したのかな...。
レストラン・ガーデンで最後の晩餐ランチ
そろそろお腹も減ってきたので、1Fにあるレストランに行くことにしました。(地下3階にはゴッホをイメージしたカフェがあって、そちらは軽食系です)
「秋のランチ」 1300円。
鶏モモ肉と秋の茸の香草焼きパリ風オニオンブラウンソース & ビストロ風コールスローサラダ。これにパンが付きます。
美術館内のレストランにしては安めの値段設定ですね!
結構ボリュームがあってお腹はいっぱいになります。お味は「美術館併設のレストランならこれでいいよね!」という感じでした。食事を楽しみに行くほどではないけれど、不満はないレベルです。
最後の晩餐 1800円(ワインorぶどうジュース付)
鯛や阿波黒毛和牛、わかめ、レンコン、金時芋など徳島の食材を使ったメニュー。
これはリッチだぞ!それなりに美味しいけれど量が全然足りません...!でも「最後の晩餐」という名前に惹かれてしまうのです。ドライバーはぶどうジュースで乾杯。
パンが美味しい。
ということで、レストランは以上。休日の昼時は列ができるので時間をずらして訪れるのが正解です。
絵画鑑賞に戻りましょう!
時はルネサンス
ご飯を食べたらさっきの続きです。時刻は15時、閉館まであと2時間です!急がねば。
蜂にこまるクピド。
フランダースの犬の最後のシーンでネロが命がけで見に訪れた「キリスト昇架」。ベルギーのアントワープ大聖堂にあるこの絵ですが、当時は布をかけられていて鑑賞するのにはお金が必要だったようです。
サンマルコ広場を描いた大きな絵。
誰もが知っているモナリザ。一緒のポーズしちゃいますよね!モナリザの顔にベール(布)が掛かっているということを最近読んだ本で知りました。
最後の晩餐。特に好きな絵ではないけれど、旅から戻ったあとに映画『ダ・ヴィンチ・コード』を鑑賞しました。昔見たときは「なんのこっちゃ」という感想だったけれど、キリスト教について色々と知識が入った状態で見返したらストーリーがちゃんと理解できた。勉強した甲斐がありましたね。(映画のストーリー自体はフィクションです)
全然知らなかったけど惹かれた作品「空気ポンプの実験」です。
何故か真夜中に行われている真空実験。真空にしていくと鳥がどうなるのかを観察する様子を描いているのですが、右にいる少女は見ていられない様子。一方大人たちは興味深く観察しています。実験の様子をモチーフにしつつもストーリーを感じられて面白いですよね。
2階からもシスティーナ礼拝堂を覗くことができました。
くだらなくて面白い「ぶらんこ」
段々と面白い作品が増えてくる時代になってきました!
西洋美術史の本を読んでいて、僕が一番気に入ったものの一つがフラゴナールという画家による「ぶらんこ」です。
絵の周辺は暗くなっていて中央がライトアップされたように照らされていますね。そこにいるのはブランコに乗った女性。この作品は1767年ロココ時代、ベルサイユのばら時代のものです。
この絵を発注したのは、草の上に横たわっている男性サン・ジュリアン。酒と女が好きなダメ男的なキャラ。うん、わかる。こんな絵を描かせるくらいだもの。「愛人のスカートの中が見えるように僕を描いてくれ!」ということでこの位置から眺めているんですよね。その表情といったらなんとも幸せそうな...。
ブランコに乗っているのは男性の愛人。それに対して愛人は上から見下ろして弄んでいるような余裕の表情。右足のミュール(靴)を飛ばして純粋に遊んでいるように見えるけれど、左足も脱げかけていて色っぽいというかなんというか。(脱げかけた靴はいわゆる性的の象徴として描かれるらしいです)
左上にいるキューピッドは指を口に当てて「しーっ」のポーズをしていて、二人が公にできない関係であることを示唆しています。
さらに面白いのが(写真から見切れているけど)右側でブランコを引っ張っている男はなんと女性の夫なのです。「結婚はあくまで政略結婚。結婚してからが恋愛なのよ。」という時代だったらしい。
ブランコを漕いで華やかな絵画なのに、スカートを覗けて幸せな本人と、「おほほほー(男ってバカね)」な愛人、さらにその夫。三人の関係がいいバランスですね。
で、このふざけたような絵をアトリエで真剣に描いているフラゴナールの様子を思い浮かべるとまた笑えてくる。
いやぁ〜本当に良いです。この絵。
印象派へ
壁紙もおしゃれなこちらのスペース。フェルメールによる作品がずらりと並んでいます。
顔マネしたけど酷かった。笑
ひまわりを見比べる事もできます。好きな人は好き。(僕は特に)
「モネの大睡蓮」へ!
季節的外れだった様子。
全く同じ構図で着衣と裸婦像が描かれた作品。顔色とかシーツの乱れとかちょっとずつ違っていて実は深い。
落ち穂拾い。
「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」1885年なので今から100年以上に描かれた作品だけど、どことなく今っぽい。全然知らなかった作品だけどこうして出会えるのは楽しいですね。
くそーーーーもう閉館時刻が迫ってきている...!
ブグローによる「ヴィーナスの誕生」
優しい色味、この立ち姿、色っぽいんだけど下品じゃない。いやもう本当に美しい...!ずっと眺めていたいけど時間がないので15秒鑑賞で次へ進みます!
ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」。日本人はこの色合いの虜になるやつです。
ただ、陶板なので、大事なところに線が入ってしまうことも...!
急ぎ足でまわる場合でも逃したくないのがこちら!
高さ6.21m、幅9.79m とその大きさはすごい!人々がほぼ実物大で描かれているので、前に立つとその世界に入り込んだかのようです。
クリムトね!
ムンクの前で叫ぶ。
建物自体も美しいんだよねぇー。
現代美術はミステリアス
時刻は16時30分、閉館まであと30分!1階、2階にあたる現代美術コーナーです。
正直、僕はあまり現代美術に対しての知識も興味もなく...。
ほぼ全て素通りで、一応見たよ!という状態で駆け抜けました。もっと時間があればねぇ。
これらの良さそ理解するにはもう少しかかる気がします。
(残った時間で、もう一度印象派に戻ってきて最後まで満喫しました!)
タッタッタッ。
おみやげを買って退館!
時刻は17時5分。閉館と言っても「時間になったからさっさと帰ってねー」という感じではなく、お土産を買うことができました。
フェルメールの缶に入ったサブレ。
あと、絵ハガキ2枚です。Tシャツとかもっと購入する気マンマンだったけど、意外と欲しいものは見つからなかったなぁ。
出口へ。
13時に到着して、17時まで4時間かけて楽しみました!すべてをしっかり見るには開館時間に合わせて9時30分に来る必要がありますね。あと、可能ならば平日に来ると空いていて正解です。(数年前に来たときは平日だったので全く混雑していなかったのです)
駐車場へ。時間は十分ではなかったけれど、満足感はすごい。
またいつか訪れたい場所となりました。
さてさて、美術館を満喫したので、ここ徳島から淡路島を通って神戸へと戻ります!
つづく。