「レシピ通りに作ったはずなのに、なーんか違うんだよなぁー」
それが料理に対する僕の悩みでした。
週に何度かは奥さんに変わって僕が夕飯を作っています。クックパッドで人気のレシピを検索して、それ通りに作っています。...が、自分の味に納得できない事が多い。
食べられないほど不味くはないんだけど「うん。間違いなく美味しいっ!」ってはならないのです。口に入れた瞬間に旨味が伝わってきて、飲み込むのがもったいないってのがない。
(そんな、どこが物足りない料理でも、美味しいよー!って食べてくれる奥さんの優しさに助けられていました。)
「どうにかしたい。料理下手の僕だって、せっかく時間を割いて料理するなら、美味しく作りたい!」
ずーっと思っていました。
準備が忙しかった結婚式も無事に終わったことだし「ここらで真面目に料理に取り組んでみるぞ」と決意したのです。
どうせ作るなら「また食べたいっ!」って思えるレベルの料理にしたいですから!やる気に満ち溢れている今日このごろなのです。
自己流は全部捨てて、イチからはじめたい。
料理スキルは人生を豊かにしてくれる
「頻繁に使うものにはお金をかけよう」というのが僕の考えなのですが、それと同じように「頻繁に必要となるスキルを身につける」のは重要なはず。
「普通に美味しい料理」を作ることができることができる男になりたい!
- お店みたいなイタリアン
- 塊肉を使って何時間も煮込む自家製チャーシュー
いやいや、それは「趣味の料理」。僕はもっと日常的なものから始めるべきなのです。一人あたり数百円の材料費で、会社から帰ってきた後でもササッと作れる。そんな家庭料理をマスターしたいですよね!
料理というものは誰もが毎日食べるもの。
例え今は外食だけで生活していたって、奥さんが毎日作ってくれていたって、いつ生活環境が変化するかは分かりません。
- 一人暮らし男子でも彼女ができたら美味しい手料理作ってあげられる。
- 奥さんが体調を崩したときに、子供に料理を振る舞ってあげられる。
- 何より家事分担の幅が広がる!
「何となくの料理」から「真剣に取り組んで、試行錯誤していく料理」へステップアップしてみようと思いました。
やるぞ、やるぞ!
料理教室に通おうと思った。想像以上に高かった。
料理の腕を上げるなら、料理教室でしょ!
今やショッピングモールや駅ビルの中にも入っている事が多い料理教室。大手での価格調べてみたら、12回の講習で約6万円。
一回あたり5000円。これで料理の腕が上達するなら高くないのかも...。
いや...やっぱり高い。
どうしようかなー、いつか通おうかなーと先延ばしにしようと考えていたけれど「教室に頼る前に基礎くらいは勉強できるのでは?それでもダメなら教室に通うという手段を選択したらよいのでは?」となり、ひとまず本屋の料理コーナーへと向かったのでした。
家庭学習で上手くいかない時は、塾に通おう的なそんな感じです。
理系男子の心を掴んだ、ロジカル調理本
「どうしてその手順なのか」が理解できる、感覚ではない料理本!
書店の料理コーナーは、やはり女性向けのものが多いのです。(中には男性向けもあるけど、週末の趣味料理であることが多いんですよね)
そんな中、僕の心を掴んだ料理本がこちらの「ロジカル調理」です。中身をチラ見してから、その場でAmazonの評価の良さを確認して、速攻でレジに持っていきました。
で、何が良いかって...
- 料理手順の理由が書かれている。
- 写真が載っているのでわかりやすい!
- 記載されている料理が「普通の家庭料理」である。
普通の料理本とは異なり、料理を作る前の解説が記載されているのです!
クックパッドだと「豚肉を焼きます」の一言で終わってしまう手順でも、何枚かの写真とポイントが書かれているので理解しやすい。
「料理は科学。そう、化学実験なんだ。」っていう意識で調理に挑むことで、料理スキルが上達していくのですね。
- 学習。本を読んで理由を学ぶ。
- 計画。実験手順を確認。
- 実行、観察。何が起きているのか、どう変化しているのかを確認する。
- 結果の確認、考察。上手くできたのか、どこがイマイチなのか、改善するためにはどうすべきなのか。
レシピに従って(従っているつもりで適当に)ロボットみたいに何も考えずに作っていたから上達しなかったんですね。
調理への集中力が違うだけで、ノウハウが蓄積されていきます。この本を購入したのが数週間前でしたが、その間に明らかに僕の技術力は向上しています!!
基本料理を作った!
まずは味噌汁。
「沸騰させてはいけない」っていうのは微かに覚えてた。でも、その重要性が理解できていなかったから、他の作業をしている間にグツグツ沸騰して泡立つこともしばしば。
- 高温になりすぎると味噌の香り成分が揮発してしまう。
- 化学的構造が変化してシャバシャバな舌触りになってしまう。
本の中では具体的な成分を挙げて解説されています。とにかく「化学的に...」と説明されると「そうか、じゃあ沸騰させてしまったらその時点で実験失敗だな!」って理解できるので、味噌汁に対する集中力が上がる。
で、美味しくできあがるってワケなのです!
最初は集中力がいるけれど、何度か繰り返しているうちに慣れて簡単に作ることができるようになるんでしょう。
メインは「豚肉を焼く→調味料で煮詰める」という単純な料理、生姜焼きです。
豚肉の焼き方も教えてくれて...
- 一枚ずつ焼く
- 片面を焼いたら裏返してフライパンの端っこに寄せる
- 1枚目の裏面を焼くのと同時に、2枚目を投入する
- 2枚目を裏返してその上に1枚目を乗せる。3枚目を焼き始める。
- ...の繰り返し
- 火を止めて調味料を入れて、火をつけて煮詰める。
これだけだとレシピだけなんですが、ちゃんと理由が説明されているのです。そこがいい。
- 全部一気に焼かないことで、フライパンの温度が急激に低下するの防止する。
- 焼いた豚肉をフライパンの端に積み重ねることで、蒸し焼き状態になって温かくてしっとり。
- 火を止めてから調味料を入れるのは、注いだ瞬間に液体が焦げてしまわないようにするため。
あーーー!なるほどーーーー!
僕には分かる。もうこれは絶対美味しい。
こうして生姜焼きマスターになった
柔らかしっとりの豚肉。ちゃんと味噌の香りがする味噌汁。そして美味しいコシヒカリ。
自分史上最高の仕上がりでした!
奥さんからも、はなまる評価をいただきました!やったー!うれしい!
レシピに集中しすぎて、野菜を添えられなかったのはごめんなさい🙇
最小限の手間でものすごく美味しい。これなら疲れてる時でもちゃちゃっと作れる!
まとめ「入門の入門として間違いない本」
生姜焼きと味噌汁だけでさえ、この感動!
たった千円ちょっとの本だけど、料理への知識、意識、やる気を引き上げてくれました。
肉じゃがとか、麻婆豆腐とか、野菜炒め、鯖味噌とか...普通の家庭料理レシピがまだまだ載っています。
化学実験を意識して、ひとつずつ美味しく出来るように研究していきたい。真剣に料理することの大切さを知った理系男子の話でした。