本を読みながら眠りに落ちる。そんな幸せな時間を経験できるという情報を仕入れたので(だいぶ前に何かのテレビ番組でやっていたのだけど、どんな番組でどう紹介されていたかは覚えていないのですが)行ってきました。
今回はBook And Bed Tokyo Asakusaの様子をお伝えします。僕自身宿泊する前に調べてみたんですが「不便な点も含めて実際どうなのよ?」というレポートが読みたかったんですよね。なので、施設自体や周りのお客さんの様子も含めて書いてみようと思います。
こういう「楽しいかもしれないけど、もしかしたら大変かもしれない」というチャレンジの場合は奥さんに「ここ行こうと思うけど、一緒に行ってみたい?失敗するかもしれないけど」と、ひと声かけるのですが、結局は僕一人旅となるのです。僕の奥さんがカプセルホテル(のような場所)に一緒に行く可能性はほぼ無く、一人旅になることははじめから予測できているけど、相談したという事実が重要なのです。
Book And Bed Tokyo は浅草雷門からすぐそこにある!
こちら浅草、雷門前です。
道路側を振り返ってみるとそこに見えるのがBook And Bed Tokyo Asakusaが入っているビル。
敢えてなのか、工事ミスなのか、看板が反対向いている謎。
隣はスターバックスなのでこれを目印に来るとわかりやすいです。といっても雷門からたったの120mだし、大通りなので迷うことも無いでしょう。
このビルの6階にあります。
見ての通り、寿司屋とか居酒屋とかヨガスタジオが入っている雑居ビル。建物に高級感は全然ありません。Book And Bed Tokyo Asakusa 自体の宿泊代金は1泊4000円ほどとかなり安くて、ホテルよりは漫画喫茶の進化版のような位置づけです。
エレベーターのドアが開くと、暗いフロアに怪しげな光。
入ってみると、右側に金網で覆われた受付、奥にはロッカーで行き止まり。何やら秘密のクラブのようで知らずにこのフロアに降りてしまったらビビってしまうような雰囲気。
チリーンとベルを鳴らしてみると、奥から腰の曲がったいかにも怪しげな老人が...とホラー映画ならこんなベタな人物が出てくるわけですが、実際出てきたのは優しいお兄さんでした。ご安心を。
こういう(カプセルホテルみたいなドミトリーみたいな)ところに泊まるのは始めてですか?何でご覧になりましたかー?という会話をしながら、チェックイン手続きを行いました。「ブログに写真を載せたいんですけど撮影しても良いですか?」と聞いたところ、ぜひとも!とのお答えをいただきました。ただ他の宿泊者の方への配慮はお願いしますとのこと。
こちらのBook And Bed Tokyo Asakusaでは宿泊プラン以外にも、昼間1時間500円で入ることもできます。まさに漫画喫茶のような感じですね。浅草観光に疲れたときに1時間だけソファーで寛ぎながら休憩するという使い方もできそうです。(昼時間のお客さんは持ち込み不可でコーヒー450円からなので、実際1000円はかかりそうです。宿泊者は持ち込みOK。チェックインは16時チェックアウトは翌日11時です。)
チェックインを終えると「そちらからどうぞ」と案内されます。このカードリーダーに鍵をかざしてロッカー部分を開くと店内へ...!ロッカーがドアになっていて秘密基地っぽくなっているわけです。楽しい。
店内はこうなっていた!
メインとなるのはこのスペース。
さっきのフロントのドアを通ると、この写真の右から出てくる感じです。
壁には様々な本が並べられています。たくさんの本...と言いたいところですが、漫画喫茶や図書館に比べるとかなり少ない。「泊まれる本屋」と名乗っている割には冊数がすくないかなと。ただ、漫画喫茶とは違って漫画はほとんどありません。3分の1くらいが活字の本、残りは風景写真集や優しい専門書、絵本などで、ほんの少し漫画や雑誌がありました。
眺めてみても「これは是非とも読みたかった!」というのは見当たらないので、浅草の本屋で読みたい本を買ってこようとも思ったほどです。でもそれだとBook And Bed Tokyo Asakusaに泊まる意味がない。普段は読まないし興味を持たない本を手にとってみることが重要ですよね。これをきっかけに新たに興味を持ったり面白い本に出会えるかもしれないのですから。
さて、窓側にはソファー席。
ここからは雷門あたりを見ることもできます。そのくらい近い立地なのです。
中央の席やソファー席は自由に使うことが出来ます。実際夜中はソファーで寝落ちしたお客さんも数名。静かに自由に過ごすことができるのが特徴です。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
中央を挟んだ逆側にはソファー席。左側が黒の世界、右側が白の世界というかんじですね。
照明もぶった切られていて面白い。電球はうまい具合に避けられていましたが。
水回り設備も問題なし
奥に進むとシャワー洗面スペース。
イケてるデザイン。
洗面台は8箇所。
こういうタイプのミラーって、小物が置けていいですね!
シャワーは6箇所くらい。
ドア越しに半畳くらいの脱衣所とシャワーブース。清潔感はそこそこあります。沖縄で泊まったときもそうだったんですが、足元の珪藻土バスマットの汚れが気になって素足では踏まないように頑張りました。シャワースペース内は前の人の髪の毛が残ることもありますが水で流せば特に気になりません。
なお、バスタオルは有料でレンタル可能。パジャマや歯ブラシ等も宿泊料金に含まれていないので持参していくとよいでしょう。忘れても近くのコンビニや百均、ユニクロなんかで手に入れることもできますね。ここは都会なので徒歩でなんでも買えます。
一箇所だけバスタブ付きのシャワーブースがありました。バスタブと言ってもめちゃめちゃ狭いですし、見ず知らずの人が入ったバスタブを使うのに抵抗があるのでよほどのことが無い限りはシャワーのみの利用にしておきましょう。
ここで一旦休憩です
チェックイン後に写真を撮り終わり、夜の浅草巡りに備えて一度休憩することにしました。
とりあえず見つけたのがこちらの本。
もし、いろんな有名人(作家)がカップ焼きそばの作り方を説明したら、こんな文になるだろうよ。っていう本なのですが、読み出してみると面白い。どれもこれもカップ焼きそばを作るだけなのに、味わいがある文になっています。
他にどんな本があるのかというと...子供向けの絵本とか
アート関係の本とか
科学に関する本とか
あとは世界や旅行の本とか!
いくつか気になるのがあったので夜読んでみることにしましょう。
ベッドルーム上段はツラかった
さて、気になるベッドルームについて。ベッドルームといってもカプセルホテルのように巣穴に潜り込むタイプです。僕の部屋がコンパクトタイプで一番安いやつ。一泊4000円くらいでした。
上段は正直ツラい...。
広さは80 x 200cmくらい。布団サイズですね。
そうそう、予想外だったのが布団の上だと本が読めないことでした。泊まれる本屋なのに横になって読みづらい。その理由は照明の位置にあります。写真右上にバータイプのLED照明がついているので、枕元は棚板が影になってしまうのです。
「手元はだいぶ暗い...」
ベッドで読むには体を起こして照明の下で読むしかなさそう。これだったら、ベッドから出て、椅子やソファーで読んだほうが読みやすいぞ。
番号設定できる金庫がついています。
一眼レフが余裕で入るくらいの大きさ。PCも入ります。
上段だった僕のベッドルームの天井は布でした。布で蓋をしてある感じ。
照明の明るさは調整できます。
足元はカーテン。
寝転がってみるとこんな景色。棚板が見えます。
マットレスは5cmくらいの厚さで、無印のスポンジみたいに細い繊維がぶわーってなってるやつでした。低反発とかではありませんが、薄い割に寝心地は良いです。
チェックインのときに無料で耳栓をもらえます。これが無いと眠れないほどではありませんでしたが、空調のボーーっていう音が気になる場合に使いましょう。なお、0時までは店内にBGMが流れているので0時まえに眠りたい場合は必須ですね。(このBGMがショップのクラブっぽくて不快だった...。)
バックパックを広げると布団が半分ほど埋まってしまうので...
無理やりにでも棚板の上に乗せてなんとかします。
これで足を伸ばせるようになりました。
とまぁ、このカプセルタイプのドミトリーとしては普通に綺麗で、普通に快適でした。逆にこういうのに慣れていなくて神経質だと辛いかもしれませんね。
寝る前に水分をとりすぎたせいか、早朝に一度目が冷めました。で、トイレに行くのですが、これがまた大変でして。寝ぼけた状態で降りようとすると怪我をするので、完全に目が冷めたのを確認して手足をしっかりとハシゴにかけて慎重に降りる必要があったんですよね。できるなら最上段は避けたほうが良いと思います。
深夜までゆっくり過ごした
近くのミスドでドーナツを買って、ファミマでコーヒーを買ってきて、深夜になるまでゆっくり過ごしました。
さっきも書いたけど、BGMが不快。読書を推しているんだからジャズとかクラシックにしてくれればいいのに。僕は諦めて、イヤホンをして静かな曲を聞いていました。
最近テレビでも話題の奇界遺産の写真集。たまたま棚にあったから読んでみたけどハマるハマる。続編含めて2冊じっくり楽しみました。
昔持っていた記憶がある生活図鑑。
その他活字本をつまみ読みするなどして楽しみました。
スリッパは借りられますよ!パジャマは持参していくべしですよ!
そうこうしている間に22時が過ぎ、人通りもまばらに。
深夜の浅草フォトウォークへ向かったのでした。
詳しくはこっちの記事でどうぞ!
そして朝まで
フォトウォークから戻ったのが23時過ぎ。小雨で濡れたのでそのままシャワーを浴びて、残しておいてドーナツを食べながら再び読書。
よく眠るための科学の本と、ますます眠れなくなる宇宙の本が隣同士。どっちを手に取るかなやみますね!
さて、寝る前に回りを見渡してみたところ、本を読んでいる人は3人。雑誌を読んでいる人は2人。スマホをいじっている人は3人。あとは自分のベッドで寝ているなどでしょう。
つまり、泊まれる本屋だからといって、みんながみんな活字が好きではないってことですね。正直「スマホで動画見てるくらいなら本読みなよ!」とも思ったわけですが、そもそも海外旅行客かもしれませんし、音漏れさせて迷惑をかけているわけでもないので自由ですね。
持参したスポーツバスタオルをハンガーにかけたら、おやすみなさい。
……
早朝にトイレに行って、再び眠って自然に起きたのが8時ごろ。
そっと覗いてみると、この時間に読書をしている人はいないようで、数名が静かに出発の準備をしているようでした。
外を覗いてみると人力車。
花嫁さんが乗っていますね。なんだかおめでたい朝。
シャワーを浴びて、荷物を詰めてチェックアウトしました。今回は一眼レフとミラーレスと、三脚と着替えと...とたくさんの持ち物を詰め込んだので珍しくバックパックが満タンに。このバックパック本当に有能です。おすすめです。
パンの田島でハムカツサンドを食べて...
浅草演芸ホールで寄席を楽しみましたとさ!
まとめ「浅草観光におすすめ」
普段のビジネスホテルとは違う体験をしてみたいなー!という時、Book And Bed Tokyo Asakusaはおすすめできます。深夜に浅草寺行くのも楽しいですし。
ただドミトリータイプなので快適と思えない箇所もでてくると思います。不慣れだと疲れてしまうかもしれません。いつもと違う体験自体を楽しむ気持ちが大切ですね。僕みたいに深夜まで写真を撮ったり本を読んだり(外でお酒を飲んだり)して、ベッドでは眠るだけ...という過ごし方をする場合にはおすすめできます。
いつか一度はドミトリータイプに挑戦してみてはいかがでしょうか?
以上「泊まれる本屋 Book And Bed Tokyo Asakusa に泊まってきたレポート」でした。